青空バスケ―3rd―

その時……ポケットの中でケータイが震えているのが分かった。

さっきから何回か震えていたけど……メールじゃなくて電話か?


俺はポケットからケータイを取り出して、画面を見た。


栞奈から……。


「……………」


……俺は横で完全に落ち込んでいる秋山を見た。


そして、通話ボタンを押すと口早にこう言った。


「ごめん、後でかけ直す」


それだけ言って……電話を切った。


秋山をほっとけなかった。

今は秋山のそばにいてやることの方が大事だと思った。


……俺のその選択は間違っていたのだろうか。

分からない。

だけど……確実に少しずつ……俺と栞奈の間に心の隙間ができていった――

< 55 / 201 >

この作品をシェア

pagetop