ブスも精一杯毎日を生きてるんです。
安心感
「いい加減起きろよ、ブス。」
汚い言葉と共に朝はやってきた。
いつもよりベッドがふかふかだ。
枕の反発も少ない。
私はまだ夢を見ているのだろうか。
「いい加減にしろっ」
低い声が耳元で聞こえて、掛け布団が私のぬくもりを持ったまま剥ぎ取られてしまった。
…どうやらこの状況は夢ではないらしい。
見れば私は高級ホテルのようなダブルベッドを一人で独占して寝ていた。
昨日の疲れは嘘のように取れている。
…というか、何で私はこんなところにいるんだろう。
まさか昨日、自分でも気づかないうちにホテルでもとってしまったのだろうか。
とりあえず部屋を見渡してみると、先ほどの汚い言葉の主らしき人が目に入った。
さわやかなこげ茶のショートヘア、整った中性的な顔立ち、着ている高そうなスーツがよく似合うスタイル。
どれをとっても美青年のそれでしかなかった。
だがその美青年は、なんだか怒気を発しながらこちらを見ている。
思わず沈黙に耐え切れなくなった私は、
『…あの、ここはどこでしょうか?』