ブスも精一杯毎日を生きてるんです。
身体中を嫌な予感が駆け巡っていく。
寝ようとしていたことも忘れ、私は反射的にベッドから跳ね起きていた。
あいつに何かあったら私のせいだ。
借金を払ってもらったのは、私なのだから。
玄関から聞こえる、ボタボタという音に急かされるように、
だんだんと歩みが早くなる。
やけに長い廊下を抜けて、玄関へと続くドアに手をかけた。
『なんだ、ただの鼻……』
鼻血、と言いかけて、その先が言えなくなった。
男の顔とスーツを紅く彩っていたのは、紛れもない血。
血。
血。