ブスも精一杯毎日を生きてるんです。
思い立ったらすぐ行動。
さっさと着替えを済ませた俺は、シャワー室の前に偶然いた、クレーム係新人(元ヤミ金)に話しかける。
「今日早退するって副社長に言っといて。」
「えっ?社長仕事は…」
新人が困惑したように聞き返すから、思わず、俺は呆れた声で言った。
「馬鹿か、お前は。社長が残業して働いている会社が儲かると思うか?社長はサボることもある意味仕事なんだよ。」
「は、はい…。分かりました…。」
分かれば良いんだ、と新人の肩をポンと叩く。
「じゃあな。」
乾かしてない髪から雫が落ちる。
肩が少し冷たい。
「え、あ社長!?お荷物は?」
「…置いて帰るわー。」