白い吐息
再会
 数年ぶりの町並みは変わっていないようで、変わっている。
 当時を思い出しながら、私はかつての通学路を歩いていた。高校の時は陸上部でこの道をよく走ったものだ。

 のんびり歩いていると携帯が鳴る。

【地元どう? こっちは千恵がいなくて寂しいーっ】

 甘えたがりの晃からのメールに、私は思わず笑ってしまう。

【懐かしくて、散歩中。今から高校に行ってみる】

 晃に返信して、私は通っていた高校まで歩いた。
 すると、寒い空気を切り裂くようにピストルの音が聞こえてくる。
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