ありがとうと伝えたい
マネージャーにならない?



「ただいまー」

私は買い出しのものを
ドサっと玄関に置いた。

今日はなんだか
頭をつかったな…

重い足どりで私は台所へと
向かった。


あのあと
みんなからいろいろ
聞かれた。

だいきは
すごく明るくて
バスケ部のキャプテン
ということもあり
ファンが多いからだ。


みんなに
彼氏?とか知り合い?とか
聞かれたり

嫉妬されたり…

だから女子って
めんどくさい。


台所にいくと
かなたが電話をしながら
料理していた。

「あ、姉貴お帰り、あーうん!」


かなたも彼女いるって
いってたなぁ…

彼氏とか彼女とか
いまいちどんなものか
わからない。


ためいきをつきながら
私は料理を作り出した。







かなたが
今日は練習試合のため
早く起きたことによって

うちも早く起きた。

眠い目をこすってる
かなたの変わりに
私が朝ご飯をつくった。


「姉貴、おいしくつくれよ?」


私がいらついたのは
いうまでもない。

かなたを
見送り、自分も支度を
始めた。

ピンポーン
チャイムがなった。


ゆうなかなと思い
ドアを開けた。

ゆうなでもかなたでも
なく外にいたのは…

「よっ!」

だいきだった。

「な、なんでいるの!?」

私は驚いてきくと
だいきは
落ち着いて言った。

「小さいときの記憶と、弟の証言どおりにきたらここについた。」


「弟に会ったの?」

「さっきそこですれ違った」

「なんで弟知ってるの?」

「なんでってかなたもバスケだろ。」


なんなのこの人…
かなたも知ってるってことは
かなたが中学のときの
先輩だったってこと?


唖然としてる私をみて
だいきは笑った。

「ポカーンってするなー。笑ってる顔みせろや」

あ、あのときと一緒だ。

ふふっと笑った私をみて
満足げに笑った。


その笑顔は
無邪気だった。

「変わんないね」

「なにが?」

「笑い方」

私がそういうと
だいきはにんまりした。


「かなみも変わらないね、性格」


そうかな?と思ったら
だいきの後ろにいつのまにか

かわいいらしい女の子が
いた。

「あ、彼女?」

私がいうと
女の子はにこっと
笑いはなしだした。

「あ、私女子バスケのマネージャーです!ゆかっていいます! だいきの彼女です」

そういって
ペコッとお辞儀した。

動作が
すごくかわいい。

女子の私も
認めるぐらいかわいい子。

「ゆか、こいつさ…」

私がいたら
邪魔かなと思い行こうとすると

だいきが私の肩を叩いた。

「なぁなぁ、バスケ部のマネージャーにならない?」


え?
今なんて?
この私が
マネージャー…?




私が驚いてると
だいきはとびきりスマイルで言った。


「実はさ…前までゆかが男バスのマネージャーだったんだけど、女バスのマネージャーの子がやめちゃって、いなかったから探してたんだ!かなみならいいかなっておもって」


マネージャー…
マネージャーって
かわいい子がやるものだよ?
なのになぜ…

戸惑っているとだいきは
本気な顔で言った。

「俺が見込んだんだもん!できるさ!内容はゆかが教えてくれるさ!

無邪気な笑顔で
笑っていわれた。

私は
部活とか
やったことがない。

家事も苦手だし
ましてやサポートなんて…


ゆかちゃんが言った。

「かなみさん、頑張りましょ!」



そして成り行きで
決定してしまった。
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