ありがとうと伝えたい
本気と嘘


朝起きると
かなたは珍しく心配
していた。

「なに?なんかあった?マネージャー?それともだいきさん?」


かなたは
箸を並べたあと
真剣な顔をして
聞いてきた。


私はご飯をわけて
かなたに
渡しながら言った。



「なんでもない。かなたには関係ないから」


私がそういうと
かなたは呆れ顔で言った。


「姉貴は人に頼らなさすぎるんだよ。たまには頼れよ。俺、恋愛なら相談のるよ」


私は首を振った。

「いいの。かなたの気持ちは嬉しいけれど今回のは…」


「だいきさんに告白されたんだろ?」


私はびっくりして
かなたをみた。


かなたは平然と続けた。


「俺、だいきさんとメールしてるから知った。バスケ部でも有名だしね!」

「え…もうしられてるの?」


「当たり前だろ。相手はだいきさんだぞ?噂になりやすいの」




なんで
だいきって
そんなに有名なの…?

一体何者なの?


あのときみたいな
だいきじゃないの?


私はわかんなくなった。

私は静かに
かなたに質問した。

「だいきくんって…何者なの?」


かなたは遠くをみつめるように言った。


「あの人…ヤンキーだったんだ。」

「え?」



ヤンキー…?

優しくて無邪気だった
だいきくんが
ヤンキー?



「ヤンキーって…」

「喧嘩に強いって有名だったんだ。だから男子はいうこと聞かなきゃいけないってなってるのさ。」



知らなかった…
だからみんな
だいきのことを
信頼というか…


私はボー然とした。

かなたはため息をついた後言った。


「……今回はガチで姉貴のこと好きらしいよ」


え?
今回は…?

私は今いった
かなたの言葉を
信じられなかった。


「今回はって…今までのは本気じゃないの?」


そしたら
ゆかちゃんも
本気じゃないの?


ゆかちゃんは
本気だったのに…


ゆかちゃんと付き合う前は遊んでたらしいけど

お似合いだったから
本気だと思ったのに…



だいきは
ボソッとつぶやいた。


「……だいきさんにはいうなよ?俺いったって…だいきさん…ゆかって人がしつこくて断りきれなくて嫌々付き合ったらしいんだ。けれど、やっぱり嫌々だったから本気じゃないってきづいたらしい」


怒りそうに
なってる私をチラ見した
かなたは
まだ続けた。

「そんなときに姉貴に会って…姉貴にまた惚れたんだって」



私は
勢いよくご飯を食べた。

かなたはびっくりして
私をみつめた。


「我慢できないっ!文句いってやる!」


「はぁ!?姉貴なにいってんの!?」


「私傷つける人大嫌い!なによ、女子をなんだとおもってんの!」


私は
急いで支度をして
キリッと
かなたにいった。

「安心して、かなたが言ったって言わないから」


「姉貴…気をつけなよ?」


ア然としてる
かなたを後にして

私は玄関を
勢いよく開けた。
< 9 / 11 >

この作品をシェア

pagetop