はなおの縁ー双葉編ー
其の七 はじまりは雨の中

ひとつ

ここまで来るときは、天気がよかったのに今は雨雲が立ち込めて、もう1時間もしたらひと雨来そうな気配である。

「とりあえず、先に頼んだ本を取りに行ってもいいかな?」

「はい、行きましょう?」

二人は足早に本屋へと急いだ。

しかし、目的の本屋まで来てびっくりしてしまった。

なんと、店の前には“女人禁制”と書いてあるではないか。

彼はちょっとすまなそうに、

「悪いけど、ちょっと店の前で待っててもらえないか?すぐ済ますから。」

そう言って、中へはいってしまった。

仕方なく、待つことにした。

10分は待っただろうか。

その間にも空は少しずつ暗くなりだしてきていた。

本当に雨が降り出しそうな気配だ。

彼はまだ出てこない。
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