GORIO-ゴリオ-
ゴリオのゴリコ

本当の気持ちを伝えることができた喜びで、私の胸がじんわりと熱くなる。

ゴリオのフカフカで温かな胸に包まれていると、ただそれだけで幸せな気持ちになれる。

だけど少し冷静になってみると、ゴリオは今度こそ本当に信じてくれたのだろうか?という不安がふつふつと湧いてくる。

不安な気持ちのまま腕の中から見上げたゴリオの顔は、涙にぼやけた瞳では良く見えなかった。

ゴリオの表情を良く見たいと涙を拭おうとすると、更に腰を強く抱きしめられる。

これ以上ないくらい強く私を抱きすくめると、ゴリオが盛大にため息をつきながら私の肩に顔を埋めて来た。


『まったく…最初からそう言えっつーの!』


それはまるで"お前が本当に言いたい事など最初から分かってた"とでもいうような言い方だった。


『おまえは昔っから素直じゃなくて、どうしてか俺にだけ負けず嫌いで、いっつも変な意地張ってたよな』


昔を懐かしむように、どこか嬉しそうにゴリオは言う。


『だけど…いつもどんな時も側にいたな。こんな俺の一番側にいて、俺をまっすぐに見つめてずっと付いて来てくれた』


私を抱きしめる腕を弱めずに、肩に埋めていた顔を私の頭上に移動させてホッと息をつく。

ゴリオの息が髪にかかる感触に少しだけドキドキしながらも、ゴリオの腕に包まれている安心感で強ばっていた身体の力がゆっくりと解けて行く。

ゴリオの体温をすぐ側で感じられる事が嬉しくて、強ばりの解けた腕を伸ばすとギュッと大きな背中に抱きつく。

それを待っていたかのように、ゴリオの力強い腕が私を囲い込んで抱き締めた。


まるで自分の大切な宝物を守るように。

もう二度と離れる事がないように。


ゴリオの大きくて深い胸に抱かれて、

優しくて温かな体温を分け合うと、

嬉しくて恋しくて切なくて、

包み込むような優しさにまた涙が溢れた。

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