17-甘い君たち-
Story4. 再スタートの始め方

□□S□




ガチャリと開かれた南緒の家の扉。
陽気に出てきたのは南緒ではなくて。


「あら?翔太と尋じゃなーい。
南緒ならさっき出て行ったわよ?てっきり一緒に行ったんだと思ってたけど…」


小さい頃から面倒を見てもらってたんだから、南緒の母親と俺らはそれなりに仲良しだ。

ていうか、南緒のかあさんは俺らのことがすごくお気に入りだし、な。


「そうですか……」

「なあにー、置いてかれるなんて珍しいわねえ? 喧嘩でもしたの? 南緒の様子、ちょっとおかしかったわよ。」


南緒の母さんが困ったように笑うから、俺らもにこりと笑うことしかできなかった。


「……まあ、そんなもんかな」


いつも朝からハイテンションの尋の声のトーンは驚くほどに低かった。


しょうがないだろ。だって、俺らは生まれて初めて、南緒に拒絶されてるんだ。



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