夏の思い出 〜チョコ味のアイスと涙と笑顔〜
「なぁ、真実。明日、お墓参り行くからな…っ」
俺はそう言って、真実の写真を見た。
いつでも笑顔の真実。
「俺の笑顔、明日見せるから…」
なぁ、真実?
俺、本当に真実が好きだから。
笑わない俺を、口数少ない俺を、愛してくれてありがとう。
両親が居なくたって、真実が居れば良かった。
真実が居るだけで幸せだった。
真実の笑顔が俺の癒やしだった。
俺はあと何十年になるかわからないけれども、真実の所へ行く時は笑顔で迎えてくれますか?
……俺も笑顔で行くから。
また、来年の夏。
ここで待っているから。
“夏の思い出”として、俺の心に。
《 END.》