河の流れは絶えず~和泉編~
其の拾参 溢れる想い

ひとつ

いつもの場所に今日は幾分遅れて着いた。

急いで来たのでいくらか息が上がっている。

しばらく、体を動かさない日が続いていたので、体が鈍っていたようだ。

また、走り込みでもするか。

今日も気持ちのいいくらいの抜けるような青空が頭の上に広がっている。

梅雨はまだ少し先のようだ。

ふと、いつも彼女が来る方向の道を見ると、彼方に彼女の姿が見えた。

「ごめんなさい、待たせてしまって。」

そう言いながら、はあはあと息を切らしている。
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