河の流れは絶えず~和泉編~
ふと、正坊を見るとなんだかもじもじしている。

どうした?と聞けば、実はおねえちゃんからお駄賃もらったの、、、というじゃないか。

ああ、やっぱり俺の勘は当たっていた。

あの子はこういうことにまで気のつく子なんだ。

「ごめん、兄ちゃん。」

正吉は伏せ目で言う。

そんな正吉がかわいくて、坊主頭をかいぐり、かいぐりした。

「よかったな、やさしいおねえさんで。」

「うん。俺、またあのおねえちゃんに会いたいなあ。」

その言葉に、うん、そうだな、とひとりごちた。

来週は会えるだろうな。
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