わたしの居場所〜もうひとりの居場所〜
明日は大晦日。

このまま一年が終わってしまう。

ほんとにそれでいいのか?

目の前はほとんどかすんで見えない。

窓の外は雪かもしれないな。

でも…

目を閉じると思い浮かんでくるのは、

ちせの姿だけ。

彼女の笑顔を思い描きたいが、

いま浮かぶのは寂しく苦しそうな

ちせの顔…


その顔をおれにはもう笑顔にできない。

自分から去ったんだから。

いや、おれは逃げただけ。

その結果…

彼女を苦しめている。

ぜんぶおれのせい。
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