ズルイのはあなた


相手も気付いたのか一瞬固まったがすぐに戻りコーヒーを持って出ていってしまった。





「――どうした?」


「・・・いえ、これで失礼します」


「あぁ。またおいで」


そうにこやかに職員室を出た。




これで用事は終わり。


なのに足は出口とは反対に動き出した。




--…ついたのは、美術室。



ここにいるような気がして…



ドアを開けるとあの人は窓にもたれながら外を眺めていた。


昔のように。



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