光と闇のセカイ

◇刹那の夢

気が付いたら、私は不思議な空間に立ちすくんでいた。



空間を包み込むような、白い霧。


足元には、足首が浸かる位の水面。


足を動かせば、水音と共に波紋が浮かんでくる。



辺りを見回して水音を立てながら前へ進んでも、何もない。





音も、色も、



何もない






静かすぎるセカイ-----。






なんとなく、夢の見ているのだと分かった。





私はよく、今のような夢を見る。



ただ虚しさしか感じられない、さみしい夢を。



例え夢なのだとしても、自分の存在する意味が危うく感じてくる。





ああ、またか。






そんな自嘲の思考がよぎった時。





『--------……。』


「ん…?」



一瞬、誰かに呼ばれたような気がした。


どこに見回しても、誰もいない。



夢のせいか、と思った直後、




--空間が、暗転した。



「……!?」



真っ暗になって、初めていつもの夢ではないと感じる。



「な……
何だ……!?」


予想外の出来事に不安になるが、冷静を装って気を落ち着かせる。



警戒して気配を探るも、何も掴めない。


先に進んでしばらくすると、青白い光が見えた。



光の方向に進むと、光を背に大きな社がぽつんと建っていた。











-いや、


それだけじゃない。

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