あの頃のように
2012年10月
2012年10月
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「ちょっと遅くなっちゃったね、ごめん」


バイトの時間までの、ちょっとしたデート。

ケータイの時間を見て、俺は謝った。


午後の7時は別に遅い時間じゃない。

だけど、ユカは父子家庭だ。

ご飯を作って待ってくれているお母さんはいない。


これまでに何度か繰り返したデートは、俺のバイトが夜だったせいもあるけど、いつも早めに切り上げていた。


「ご飯ってユカちゃんが作ってる? ……それともお父さん?」

「パパは……今入院してるから」


ユカはどこか申し訳なさそうに肩をすくめた。


「……え?

じゃあ、ユカちゃんは毎晩ひとりでご飯食べて、ひとりで寝てるの?」

「うん、そう」


当たり前のようにうなずく。

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