キモチの欠片
「猫でもなんでもいいよ。俺、かなり頑張ったんだからご褒美ぐれぇくれたっていいだろ」
今にも襲いかかってきそうな葵は猫なんて可愛いもんじゃない。エロ狼だ。
「はいはい、分かったから。お腹が減ったからまずはご飯食べに行こう」
ファミレスで食べとけばよかったと後悔してみたり。
「仕方ねぇ、飯食ったらそのままうちに泊まれよ。デザートはゆずだからな」
逃がさねぇよ、と狙いを定めてあたしを見る。どうやらとんでもない狼に捕まったみたいだ。
◆ ◆ ◆
ラーメン屋でラーメンを食べ、葵の部屋へと向かった。
部屋へ入るなり、風呂に入れとバスルームに押し込められた。
何なのよと文句を言いつつも素直に従ってるあたし。
念入りに身体を洗い髪も洗う。
そして、ゆっくりと湯船に身体を沈めた。