「ぐふぇ!」
洗面台に歯磨き中の口の中のものをはきだす。

「洗顔クリームじゃん。これ」
鏡の中の私の顔は朝から悲壮感さえただよっていた。

あの日以降、アイツ 三浦斗馬は「下僕宣言」を忠実に実行していた。

――――そして今日も私の下僕生活がはじまる。

「おはようございます」

フロアには既にたくさんの社員が出勤していた。

もちろんアイツも。

「おはようございます」

声をかけながら、席に着いた。

「ん」と言いながらたっぷりの書類を渡された。

「これいつまでですか?」
とりあえず聞いてみる。

「可及的すみやかに」
こちらを一切見ずに、ボソッと面倒そうにつぶやいた。