隣の彼の恋愛事情
そんな私たちのやりとりを見ていたチィ兄がクスクスと笑い

「あんまり紅いじめないでね。」とそう言って立ち去った。

チィ兄の背中を残念そうに見送る私に

「お前、美馬のこと好きなの?」

いきなり直球が飛んできて、なんの準備もない私はうろたえた。

「な、な・・・」

上手く返事もできない赤い顔の私に、アイツが続けてこういった。

「お前も、美馬みたいな王子キャラが好きなのか?」

上から睨み付けるような冷たい視線を向けられた。

(なんでこんなことコイツに聞かれないといけないのよ・・・)

「チッ・・・下僕の癖に恋愛とか生意気なんだよ・・・」

何だか今日はアイツの私に対する人格否定が激しい気がする。

「下僕だって人間です。それに――――」

ひと呼吸してから言葉を続ける。
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