椿ノ華



「…はは、良かった」


安心した様に微笑む壱に釣られ、
柔らかい笑みを浮かべた。

連絡先を交換し、


「…じゃあ、ありがとう」

「いえ、此方こそ。御誘い待ってますね」

「うん、すぐにまた誘うよ」


手を振り、笑顔で別れた。


「…椿?壱も一緒か」


聞き慣れた低い声。


「…お兄様。今お帰りですか」

「ああ、遅かったみたいだな」

「ええ、壱さんと出掛けていました」



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