そらいろ
ぷろろーぐ

俺は彼女より“  ”に依存していないし、恐らく彼女は俺より俺という人間にも彼女自身にも執着していない。

それは俺と彼女の考え方の違いによるものだから、それに不満があるわけではないけれど、少しくらいは、という思いはあった。


だって、少しくらい心配させて欲しいじゃないか。
だって、もう少し自分を大切にして欲しいじゃないか。


知らないでいるよりは、知って心配したい。
1人で耐えなくても、心配して支えてあげることはできるのだから。




表向きの笑顔の裏で考えていた俺の思考は、誰にも気付かれないはずだった。
冬休みが明けるまで、顔すら知らなかったクラスメートがこんなことを言うまでは。



『あんたさ、最近ずっと――さんのこと気にしてるよな』

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