小さい頃から好きだった近所の慧(さとし)お兄ちゃん。
ときどき、公園の広場で縄跳びや、かけっこをして遊んだ人。

彼が私の初恋の人だった。

彼が高校生、自分が小学生の頃。
私は。

「つきあって」

「僕とかい?」

困ったように私の頭に手をのせるのは、慧お兄ちゃん。

小学生からの告白というより、おねだりに慧お兄ちゃんはビックリしたようだった。

「私を慧お兄ちゃんの彼女にして」

私は駄々っ子のようにお兄ちゃんの腕を掴んで言った。

「つきあうって、なにするのかな?」

お兄ちゃんは困ったように首を傾げる。
腕を離さない私を、やんわりと落ち着かせるように、頭を撫でた。

「たとえば休みの日に一緒に会ったり、お互いの家に行ったり……」

お兄ちゃんは、少し安堵したように笑った。

「それだったら、もうやってるよ?」

「……じゃあ、私、慧お兄ちゃんの彼女?」

お兄ちゃんは困ったように眉をさげて、私を見つめながら、

「うん。そうなるかな」

頷いてくれた。