身代わり恋愛

それは、同じ講義をとってる友達の一馬だった。



「てか、明優入れるなら私もいれてよ」



隣から、不機嫌な声が聞こえる。



あっ、なんかやだなこの感じ。



昔から女子によくわかんない妬みをかうのが得意だった私は、雰囲気で察知出来るまでになってしまった。



これは、やばい…




一番妬みをかわれていた中学時代が蘇って、小さなまだ中学生だった頃の自分が、心の中で小さく震え出す。


「お前は彼氏にいれてもらいな」


キラキラした一馬の笑顔は、なんの嫌味もなく掴みどころもない笑顔で。


友達は、腑に落ちない様子で何処かへ行ってしまった。

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