お嬢様の秘密Ⅱ

一緒にいるために

家に帰るなり私はボーッとしていた。


………どうすればいいの………。


何気なく携帯の待ち受けを見ると、私と葵が楽しく笑っている写真が過去になってしまったかのように思えた。


「葵………どうしたらいいの………？」





ーその時携帯が鳴った。


「もしもし………？」


「ユリ！！…………良かった繋がった………。」


相手は葵だった。


「一回外に出ろ。」


急に命令！？


出会いたての頃はよく葵に命令されてたね………。


「理央、私少し出かけてくる。」


「お嬢様、どちらへ？」


私は繋がりっぱなしだった携帯を理央に渡した。


「理央兄。会うのは俺だ。心配するな。」


「そういうことでしたか………。お嬢様失礼いたしました。」


私は薄いガウンを羽織って庭に出た。





「葵…………。どうやって入ったの？」


葵は庭に用意されたオシャレなテーブルセットで優雅に紅茶を飲んでいた。


「今野さんが入れてくれた。」


葵は立ち上がって私をぎゅっと抱きしめた。


「連絡くらいしろ！！何度かけても繋がらなかったんだぞ！！」


パッと携帯を見ると………何十件もの着信が………。


「心配したんだからな………。俺ってそんなに頼りねぇか？」


「えっ………違うわ、違うわよ。…………家に帰った後高澤家と秋本家の婚約が一部の人が観れるニュースでやってて………。」


「はあ？知らねえぞおれ。」


「葵の苗字が高澤だけど違うと思ってたの！！だけど嫌な予感がしたから……。」


葵はびっくりしたような顔をした。
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