お嬢様の秘密Ⅱ

存在

「着いたわ。さあ早く中に入って。」


裏道から案内されて初めてフラワー宮に入った。


入り口にはバラが色とりどりに広がっている。


「美穂いるかしら?」


「お帰りなさいませ………ってどうなさったんですか?」


「理由は後で説明するわ。早く湯浴みの用意を。」


私を背中に隠しながらテキパキと指示する姿に安心感を覚えた。


「美穂さんってここのメイドなんですか?」


「ええ………あの後から雇っているのよ。ジャックは滅多にここには来ないし。」


「え?だってお姉様の執事でしょう?」


「それが私にもよく分からないのよ。学園に入った時から執事だけど私の世話はここのメイドが全てやってくれるし。」


話しながら椅子にかかっていたショールを私にかけてくれた。


「行きましょう。入り口は吹き抜けだし中に入らなきゃ。」


「ありがとう………。」


中に続く扉を開け、お風呂場まで案内してくれた。


「お嬢様準備ができました。」


「ありがとう。じゃあ私とユリお願いね。」


真理亜様はゆっくりと車椅子から立ち上がり、メイドに近寄った。


メイドは真理亜様の服を脱がしにかかる。


「お、お姉様!?」


「どうしたのユリ。あなたも脱ぎなさいよ。ほら、あなたユリもよ。」


人に脱がしてもらうなんて………


真理亜様は常識外れすぎている。


メイドに抵抗しようと思ったが腕をがっちりと掴まれてされるがままになっていた。


「「どうぞごゆっくり」」


風呂は中に2つ壁を隔てて2つずつあったので真理亜様とは別々に入った。


お姉様はメイドと一緒に入って行ったけど………!?








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