お嬢様の秘密Ⅱ

母親

-大樹side-


そろそろ12月か....。


日本に来てから3ヶ月経ったか....。


11月の終わりに受けた定期テストは上位5人以内に入ったので、授業免除制度を使い、今は寮の自室で仕事をしている。


そろそろ片付いたな....。


俺は時々親父の仕事を手伝うことがあるが、最近は責任が大きい仕事を任されることが多くなった。


俺をだんだん認めてくれるようになったってことか...。


ーコンコン


俺の仕事中に部屋に入るのは....。


「どうぞ。珍しいな、竜也。俺の仕事中には絶対こないって言ってたじゃないか。」


「ゴメンって。旦那様から直々に連絡したいことがあるからつなげって俺に頼んできたんだよ。」


そう。


執事と従者という関係でもあるが、普段は普通の親友で接している。




「はい、お繋ぎいたしました。」


「何?親父。俺が今送った書類に何か不手際があったか?」


「いや、そうではない。.......奈々子が倒れた。」




え?奈々子って.....





「今すぐに病院へ来てくれ。迎えをよこすから。」


「わ.....分かりました.....。」


親父.....相当急いでいたな。


「大樹?なんだって?」


「お袋が.....。お母様が倒れた。」


「は?嘘だろ!?俺が昨日書類を持って行ったときはいつもどおりお話くださったぞ?!」


「迎えよこすって言っていたからおそらくヘリだと思う。....行くぞ。」


「畏まりました。」


何があったんだよ、お袋.....。
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