小悪魔がーる。

(2)高校時代の話。



あたしはずっと女友達がいなかった。

高校に入学した4月。


たまたま隣の席だった男の子と仲良くなり、

帰りにカフェに寄った後、

送ってもらう途中で告白された。



「一目惚れしたから付き合って」って。

あたしは「いいよ」って答えた。


手を繋いで帰った。

家に着いた後も、メールが来た。


そしたら次の日、女の子が話しかけてくれなくなった。



登校したら女の子たちはあたしの方を見ながらひそひそ話すだけ。

挨拶しても無視されるだけ。



あたし何したっけ。

そんなこと思ってると、



ーーーガラッッッ



勢いよく開かれる教室のドア。

すごい剣幕で入ってくる女の子。



「ちょっと!あんた!どういうつもり?!人の彼氏に手を出して、どういうつもりなのよ!この泥棒!最低!!!」


その女の子の後ろを見ると、

気まずそうにしている昨日の男の子。



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