勝手に好きでいさせて
第2章

実夜琵

【side伊久斗】

「伊久斗、起きろ。熱測れ」

兄貴にそう言われ、熱を測る。

「気分はどう?」

「あんまし変わんない…」

「そうか…まず、学校に連絡してくるわ」

そう言うと兄貴は部屋を出ていった。

その間に体温計がなった。

「体温計なった?」

「あぁ、38、8度」

「じゃぁ、病院に行くから着替えたりして準備して」

俺は兄貴に言われた通りに病院に行く準備をしていた。

~♪~♪…

“伊久斗、なんで昨日倒れたって言わなかったんだよ”

あぁ、あいつ恋歌に聞いたのか。

“かっこ悪いだろ”

男が熱出して倒れるなんてかっこ悪すぎる。

てか、あいつらちゃんと話せてるってことだよな?

いや、普通に話せるか。

恋歌には芝居だって言ってあるからな。

「伊久斗、行くぞ」

「おぉ」

~♪~♪…

“お前気持ち恋歌にバレバレだった。嘘ついた意味なかったわ。俺はもういいから、お前らうまくやれよ”

やっぱり恋歌のことだから気づいていたか。

恋歌は人の変化には敏感だからな。

“言われなくてもやってやるよ”

次こそはちゃんと自分の気持ちを1番伝えたい人に伝えるんだ。

「伊久斗、早く降りろ」

「あぁ、わりぃ」

ずっと、考え事してたらいつの間にか病院についていた。






「俺、薬とってくるからお前車で横になってろよ」

「あぁ、サンキュー」

はぁ~長かった。つうか、疲れた~。

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