クールな彼と恋愛中
◇彼女 【美園side】
今から、30分くらい前。
「私、川野先輩の彼女だから」
西沢さんに裏庭に連れて来られて、そう言われた。
え、彼女...?
川野くんの......?
「嘘......」
「本当よ。嘘なんて、言うはずないじゃない」
そう言って、鼻で笑う西沢さん。
彼女かも、とは思ってたけど......、
本当に彼女だったんだ...。
「じゃ、今度から川野先輩に、近づかないでね」
そう言って、西沢さんはどこかへ行った。
頭の中を、『彼女』の二文字がぐるぐる回る。
「ふぇっ......」
一度、溢れ出してきた涙は、もう止まらない。
私は、それからずっと、1人で泣いていた。