臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
話せればいい
麻由子はエレベーター横にある自販機の陰で今日も待機する。

航平が来る3分前からここにいて、こっそり航平を見るのが朝の日課となっていた。


航平を毎朝見ることで、1日元気に過ごせるのだ。だから、ただ見るだけでも絶対に欠かすことは出来ない日課となっている。

この日課は1年くらい続いている。

たまに航平が出張などで姿を見せない日は、気合いが入らないため、仕事にミスが多くなってしまう。だから、仕事に支障が出ないようにするためにも姿を見なければならない。

ただ見ることでも麻由子にとっては、元気になれるサプリのようなものであった。


(あ、来た、来た!今日もかっこいい…)


うっとりと航平を見つめる麻由子の肩を誰かがポンポンと叩いた。


(何よ、誰?邪魔しないで)


その手の主を見ないで、シッシッと払う。

朝の数分しか見れない貴重な時間を邪魔されたくない。用があるなら、後にして欲しい。
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