恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】

4.お揃い?




15分後。

二人はゲームセンターの一角で、太鼓のゲームに興じていた。

音楽に合わせてバチで太鼓を叩いていくというゲームで、遊び方が単純なので初心者でも気軽に楽しめる。

必死に太鼓を叩く花澄の横で、雪也は余裕の表情でリズムよく太鼓を叩いている。

しかし、太鼓の上にあるモニターに表示されているのは……。


「……って雪くん、いつのまに『鬼』レベルに!?」

「俺、わりとこれ得意なんだよね」


雪也は余裕の笑みを浮かべながら、太鼓を叩いている。

ちなみに鬼レベルというのは上級者のさらに上のレベルだ。

プロのドラマーでもなかなか点数が出ないレベルなのだが……。


「……ろっ、64万点!?」


そもそもそんな点数設定があるのか、と花澄は驚愕した。

花澄の場合は頑張っても5万点がせいぜいだ。


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