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第1章

少し昔の話ですが。


――今から4年程前、N空港にて。


『・・・じゃあ、もう行くわ。』

小学生らしき男の子はそう言い、重たそうなキャリーバックに手をかけた。

『・・・。』

『ばーか、んな顔すんなって。別れる時ぐらい笑っ...』

ぎゅっ――。


男の子の傍にいた女の子は男の子に抱きついた。

頬を赤らめながら。
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