*first love*

お気に入りの場所

入学し高校生活にも慣れてきた頃、私には学校で好きな場所が出来ていた。
それは、海が見える校舎の屋上。
ある日、いつものように一人で屋上へ行くと
誰かが先にいた。そっと覗くと、一人の男の子がそこにいた。その男の子は、一度見たことがあった。梨緒ちゃんが、イケメンだって
はしゃいでたっけ…。名前は…たしか滝澤大雅。よくみると、たしかにカッコいい。そんなことを考えていたら、ふいに滝澤くんに話し掛けられた。
「ねぇ、きみ名前は?」
「あ、相崎美桜…です」
「へぇーそうなんだ!相崎もここ気に入ってんだ!」
「そうなんです!海が見えるから」
「俺も!てか、敬語とか使わなくていいから!タメだし」
「えー!タメだったんですかっ!」
「おう!」
「私てっきり先輩だと…」
「先輩って…そんなに歳上に見える?」
「はい…大人っぽいなぁって」
「そっか俺ふけてんのか…」
「あの…、そんなんじゃなくて…」
「ははっ分かってる!あっ、敬語禁止な!次敬語使ったらキスするから!」
「わ、わかりまし…た……」
「はいキス決定」
「えぇーちょっ、」
「うそ。しないから!今度こそ禁止な」
「う、うん…」
「おし!じゃあ、俺行くな?」
と言って、滝澤くんは行ってしまった。耳元で小さく、『ここ二人だけの秘密の場所な』と言って。
始めて会って、始めて話したのに、なぜか私の心の隅でもやもやするものがあった。
「また、お話したいなぁ…」
無意識のうちに声に出ていた。

キーンコーンカーンコーン~♪
授業が終わってから、梨緒ちゃんのところに行った。もやもやが知りたくて。
「ねぇねぇ、あのさ、私なんか、胸がもやもやするの。なんでかなぁ?」
「もやもや…ねぇ」
「梨緒ちゃん分かる?」
「私も分かんないや。ごめんね美桜」
「ううん!大丈夫だよ!私こそ変なこと聞いてごめんね」
家に帰るまでの道でももやもやが消えなくて、
頭には滝澤くんのことでいっぱい…。私どうしたんだろ?
明日滝澤くんに聞いてみよっ!

-次の日-
もやもやが知りたくて、私は屋上へ走った。
滝澤くんいるかな…
「おう!美桜!」
「滝澤くん!ってい、今美桜って…」
「ダメか?」
「ダメじゃないケド、ビックリした…」
「そっか!って、何かあったのか?」
「え?」
「急いできたみたいだったかさ」
「あ!そうなの!あのね、…」
「俺でよければ聞くけど?」
「うん」
私は、滝澤くんといる時間が楽しくて、
でもなぜかドキドキしてしまうことを聞いてみた。
「なんでだと思う?ずっと、心がもやもやするの…滝澤くん頭良さそうだし、分かるかな?」
そうゆうと、滝澤くんの顔が少し赤くなかった気がした。
「美桜天然すぎ」
「梨緒ちゃんにもよく言われるの…」
「そっか。美桜っぽいな」
「何それー、私天然じゃないもん!」
「はぁ…」
「まぁいいや!」
そういって、私の頭をポンポンと撫でて行ってしまった。なんで赤くなったんだろ?
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