*first love*

世界一の誕生日

なんだかんだいって、2ヵ月が過ぎ6月になった。あれから、屋上に行くのが習慣になり滝澤くんとも普通に話せるようになっていた。それから分かったことが1つあった。滝澤くんのことが好きだってこと。
「梨緒ちゃん…相談したいことがあるんだけどいい?」
「うん!いいよ!何かあったの?」
「私…滝澤くんのことが好きみたい」
「えー本当?」
「うん…」
「私応援するよ!もう美桜可愛すぎ!」
「可愛くないょ…でもありがとう!」
「うん!てか、今日美桜誕生日だよね?」
「うん、そうだょ!何かあったの?」
「ううん!お誕生日おめでとう!はい、プレゼント」
そういって梨緒ちゃんはストラップのプレゼントをくれた。
「ありがとう!大好きっ」
「私も大好きだよ!」
「携帯につけよ!」
「ねぇ、美桜さ、滝澤くんとメールとかしてるの?」
「ううん…一応アドレスとかは知ってるけど、メールしたことないの…」
「メールしなよ!」
「だって、なんて打ったらいいか分かんないんだもん…」
「今日メールしなよ!しなかったら、友達やめるよ?」
「やだやだ!メールするから!」
「うん、絶対だよ?」
「はい…絶対…」
「じゃあ、私帰るね!翼待ってるから」
「うん!ばいばい」
梨緒ちゃん、ラブラブでいいなぁ~
私も帰ろっと。鞄を持って、下駄箱に行くと、
人影があった。誰だろ?と不思議に思って、靴を履き替えて外に出ると、そこにいたのは滝澤くんだった。
「美桜!」
「滝澤くん!どうしたの?」
「俺、今日日直でさ。いのこり」
そういって私に笑ってみせた。
「そうなんだ!もう、暗くなってきたし帰った方がいいょ?」
「おう!」
「じゃあね!」
後ろを向いて歩き出そうとしたら、「美桜!」
と、呼び止められた。
「ん?何?」
「暗くなってきて危ないし、送ってく」
「えー大丈夫だょ!滝澤くんこそ危ないょ?」
「俺は男だからいいんだよ!ほら、行くぞ」
「う、うん…」
滝澤くん優しいなぁ…。きっと、いっぱいモテるょね。
そんなことを考えて歩いていたら、家の近くまで来ていた。
「滝澤くん、ここで大丈夫だょ!」
「本当に大丈夫か?」
「うん!家すぐ近くだから!」
「そっか!じゃあな」
「送ってくれてありがと!ばいばい」
「おう!」
滝澤くんの後ろ姿を見送って、自分も帰ろうとした時、携帯が鳴った。ディスプレイを見ると
滝澤くん の文字が。
さっきまで一緒だったのにどうしたんだろ…?
「もしもし…?」
『美桜?』
「うん、そうだょ!」
『あのさ、さっき言いたいことあって忘れてたんだけど、』
「ん?なんかあったの?」
『一回しか言わないから、よく聞けよ?』
「うん…」
『俺、美桜が好きだ』
「……へ?」
今、滝澤くん私のこと好きって言った?そんなことあるわけないよね…。私なんかが…。
『だーかーら、美桜のことが好きなんだよ!』
「うそ…」
『うそじゃねーよ』
「本当に?」
『本当に』
「私、滝澤くんのとこ行く!」
そういって、電話を切ってさっきの道を戻ろうと、角を曲がったら滝澤くんがいた。私は思わず滝澤くんに抱きついた。
「うおっ…美桜?」
「私も……好き////」
私の人生で初めての告白。すごくドキドキしたけど、それ以上に滝澤くんのことが好きだから、私は思いきって自分の気持ちを言った。
「美桜、俺と付き合ってくれるか?」
「うん!」
今までで一番の誕生日プレゼントになった。
「じゃあ、また明日な?」
-ギュッ-
まだばいばいしたくないょ…
「美桜?」
「……やだ。まだ帰りたくないょ…」
「美桜、可愛すぎだから…」
「ん?」
「なんでもない。暗いし、美桜が、ちゃんと家に帰んないと俺心配んなるから」
「分かった…ばいばい。」
「じゃあな」
まだ一緒にいたかったなぁ…。

10時をまわり、寝る準備をしていると携帯の着信が鳴った。
滝澤くんだ!
その文字を見て、私は胸が熱くなった。

-to 美桜-

ちゃんと家帰れたか?

-大雅-

たった一行のメールだったけど、とても嬉しかった。
その日の夜は、ずっとメールをしていた。
梨緒ちゃんには、ちゃんと報告をしとこうっと!
ちゃんとメールで報告した。そしたら、梨緒ちゃんは自分のことのように喜んでくれた。
やっぱ梨緒ちゃん大好き!
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