アウトサイダー

「紗知……」


私と向かい合った彼は、あの時と同じ少し低い声で私を呼ぶ。


「太陽(たいよう)、あの……」


握られたままの手首が、ジンジンと熱を帯びてくる。


「元気、なんだな」


太陽も……そう言いたかったのに、声すら出なくて小さく頷いた。



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