晴れのち雨


大学内を思い出話をしながら、
先生と回った。



私の知らない先生を沢山知った。

先生の知らない大学生の私を教えた。


2人で歩いていると、
大学生の頃に戻ったみたいだった。





大学内にチャイムが響くー


「帰ろか、葵。」


「うん。」


繋いだ手を強く握って、大学を出た。




視線を下にすると2人の影があった。


重なっては離れ...

離れては重なる...

先生と私に似ているなぁ...



夕暮れに伸びる影には私の夢が詰まっていた。


ずっと2人の影がどんな形になってしまっても、並び続けてたら良いな。






あの時、下ばかり向いていた私は
些細なことを見落としていた...

そして時間が経つにつれ、
影が無くなることに気づけなかった...
< 185 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop