晴れのち雨


映画のエンドロールが流れる。



「そや!思い出した。」

先生の方を向く。


「7日から出張やからこの日から2日間、まだギリ冬休みやけど、葵の家で過ごしといて。」


「うん。分かった。
でも、何ならここの掃除するよ?」


「アカンアカン。危ないやん。
この辺、人通り少ないから葵の家の方が安全やん。」


「過保護すぎない?」


私を心配し過ぎる先生を指摘する。


「そんなん、年下の可愛い子と付き合ってたら過保護になるに決まってるやん」


「オッサンぽくなってますよ?」


「言うても俺、30代やねんけどなぁ」



そっぽを向いて、拗ねたふりをする先生。


大げさにため息をつくと、
ちょんちょんと先生の肩を突く。


内緒話をするように、先生の耳に近づいて

「でも私、男は30歳からだと思ってる派なんで安心してね」

と小声で伝えた。




< 187 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop