晴れのち雨

自転車を出して
雨の日先生に会った場所で立ち止まる。


空を見上げると星が見えた。
都会でも冬だと星が綺麗だった。


あの日「勿論!!」と言って
傘を貸してくれた笑顔を今日知った。


ただそれだけなのに
こんなに嬉しいのは何故だろう...


あの日の背中が哀しく見えたから?

不思議だらけだったあの人を沢山知れたから?

心のモヤモヤが無くなったから?


どれも違う気がする。

まだ少し火照った体に
冷たい夜風を取り入れる。


自転車に乗った私の上には数多くの願いを知っている星達が踊っていた。


こんなに星を見たのは何年ぶりだろう...


そんなことを思いながら走り出した。





....いつか私にも星に願う夜が来るのも知らずに





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