晴れのち雨


「俺は...人に好かれるような人間ちゃうねん。」


私の言葉とは裏腹な呟きに動揺する。


「アオちゃん...先生はな....」



黙り込む先生。

いつもと違う先生。

原因は全て私。



「そんなことないじゃないですか!!
先生は結婚だってしてるでしょ?」


自分の言葉に傷つきながらも
明るく振舞う。



結婚ね...、と呟くと


「俺が罪を犯してても?」


と初めて見せるとても悲しそうな顔で
私を見る。
茶色の瞳が揺れていた。



私の中で何かが壊れたー



目の前で大切な人が悲しんでいる。

目の前で大切な人が傷ついる。



"ただ少しでも助けてあげたい"

"ただ少しでも傷みを和らげてあげたい"


そこに先生とか結婚とかは関係なくて

唯々、抱きついたー






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