Last flower【執筆中】
21.
翌日から、カスカはあの囚人服を着るのをやめた。

私服のTシャツとショートパンツで食堂に出たらmotherに叱られた。

それでもカスカは聞く耳を持たず、一切の施設内のルールに

歯向かうようになった。


『牢獄』に閉ざされても平気な顔をして、

解放されてもその足で施設からの脱走を図り、捕らえられ、

数日間連続で牢獄入りすることも珍しくなくなった。


「どーしちゃったの?あいつ」

スイムとカイがユルカ達の部屋を訪ねてきたその夜、

カスカはまた大人の男達に連れられ、地下へ降りていった後だった。

「うん…私もよくわからない…」

ユルカは困りきっていた。

あんなカスカを見るのは生まれて初めてだったから。

ということはカスカにとっても「あんな自分」になるのは、

生まれて初めてのことだろう。

ユルカにはそれくらいしか確信できる部分がなかった。

「大丈夫よ。ちょっとした反抗期みたいなものでしょ、あれくらい」

そう言ってチャルが笑うと、「本当かしら」スイムとカイの後ろから

ヌッと大きな影が現れた。mother。

「スイム、カイ、もうそろそろ消灯よ。部屋に戻りなさい」

いつになく険しい顔をしているmotherは

「私はこの子達に話があるから」と、ユッサユッサ肉を揺らし、

半ば追い出すようにしてスイム達の鼻の先でドアをバタンと閉めた。
< 41 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop