恋の訪れ

なんでこんな事になってしまったんだと、今更ながらに思った。

サクヤ先輩から電話があったのは、二日後。


放課後に使われてない資料室で待っててと言われて、今ここにいる。


なんでこんな所なのかも分からない。

むしろ、薄暗くて怖い。


使われていないと言えども、何故かここには色んな雑誌が机に置かれていた。

どれも新しい雑誌。


ここでサクヤ先輩はサボっているのだろうか、なんて思った時――…


「相談って、なんだよ」


低いその声と、その人を見た瞬間、眩暈が起きそうだった。


…悪魔先輩。


「は?なにお前…」


もう一度、呟かれるその声は、まるであたしが居ることに不思議がってる。

それはあたしもである。


「あ、サクヤ先輩に…」

「サクヤ?」

「ここに居ろと…」

「あいつ、ハメたな」

「はい?」


チッと舌打ちをした先輩はズボンのポケットから携帯を取り出して、すぐに耳にあてた。
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