そしてキスからはじまった
ジュリア
私はこの日本という土地でダンサーをしている。

私はバーでピアノを弾く父とそのピアノで歌を歌う母のもとに生まれた

貧しいが普通の子供だった・・

普通の・・


父は日本人・・

フランスに音楽留学をしてそこで母と恋をし、日本を捨て母と暮らすことを選んだ。

でも日本が恋しいようで私に日本語と漢字、日本の事をよく話してくれた。

それが私に日本というまだ見ぬ国にあこがれと

父が良いとする日本人の性格を与えたのかもしれない

もう少し生活に余裕があれば父も私たちを連れて日本にも帰れるのにと残念そうに言っていた。

それでも私たちは仲の良い家族・・

幸せだった・・

私は父の頭の良さを受け継いだのか2年飛び級して16歳で日本で言う高校のリセを卒業し、大学検定試験のバカロレアもいい成績を取れた。

働きながらでも大学に行こう・・

日本語ができる私はガイドのバイトでもできる・・

お金を貯めて父と母を日本に連れて行きたいと思っていた・・
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