そしてキスからはじまった
病院にて
私は紫音の部屋を出てきてから先生の好意に甘えてこのリヨン病院の小児科に住まわせてもらっている。

私が荷物を持って夕方訪ねた時、先生は驚き、すぐ悲しそうに微笑んだ…
呆れてそして同情されたんだと思った…でも同情でもなんでもすがるしかない

私は倉庫に使っている部屋を片付けて使わせてもらうことにした。
お金がない私が病室を使う訳にはいかないと思ったから私からそうお願いした。

一番気掛かりだったパートナーの女医先生も優しく接してくれた。先生の後悔してたという言葉は本当だったんだろう

私は小児科に入院する子供に勉強を教えたり、遊び相手になったりするのを仕事とした。
私は元ダンサーで妊娠してから心臓病が分かって男に捨てられた
優しい先生に色目を使って世話になってる、ふしだらで可哀想な女…
そう噂されてる…本当の事だけどその度に傷ついていた

語学が出来る私は困っているのを見兼ねて通訳をしたのをきっかけで日本語、英語の通訳、翻訳をするようになった。手伝える事は積極的に手伝った。
月日が経つうちに仲良くしてくれる人達も出来た。
わたしの中身を認めてくれたようで嬉しかった。



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