最愛レプリカ

家族


今日は5限までだからこれで終わり。
部活もやっていない私はそそくさと帰宅する。


「また明日。」

「ばいばい、ちぃ!」


教室を出て、長い廊下を抜けて階段を下りる。

その時グッと肩を掴まれた。突然のことで、少しバランスを崩す。


「千晶ちゃん!帰んの?」

振り返れば、そこにはあの不愉快に爽やかな笑顔があった。


「……何か?」

「いや、ちょっと喋らない?」


何も喋ることなどない。一体何を考えているんだろう。訳が分からない。


「何を話すんです?」


淡々とした私の返答に口をもごもごさせている。
< 17 / 113 >

この作品をシェア

pagetop