彼氏<親友<親友の彼氏
彼氏<親友<親友の彼氏

要(かなめ)と同棲して三ヶ月――。早くも別れたいと思っていた。

一緒に住み始めると、相手の粗が見えてくるもの。

無駄にケンカをしたくない。多少の欠点には目をつむっていたけど、先月以来、要に壁を感じるようになった。


深夜になっても、隣人の物音がうるさく眠れない日々が続いていた。

耐えられなかった私は、勇気を出して隣の人を訪ねた。

「大変お伝えしづらいのですが、夜も遅いので、静かにしていただけないでしょうか?」

かなり言葉に気を遣い、精一杯、優しく伝えたつもりだった。

でも、隣人の男子学生は、私の訪問が気に入らなかったらしく、物音が嫌なら、他のアパートに引っ越せと言った。



「なにあれ!!常識ないの?」

要が帰ってきて早々、私は不満を口にした。要なら同意してくれると思ったのに、彼はシレッと、

「学生なんてみんなそうでしょ。おおめに見てやれよ」

< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop