皇帝のサイコロ

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蒸し暑い。

明日は俺の誕生日。

年を取り、27歳になってしまう。

この一年、本当にいろいろなことがあったなぁと振り返る。

昭がこの町に帰ってきてくれて本当に良かった。

昭がいなければ今も俺はパチンコ三昧だったかもしれない。

たくさん助けてもらった。

感謝してもしきれないくらい。

春に知ったのだが、昭の母親が昔パチンコにのめり込んでいたのだという。

それであんなに詳しかったのだ。

「お父さん、慎、そろそろご飯にしましょ」

「はーい」
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