永遠ガールズ
秘密のメロディー
あ、聴こえた。
綺麗な旋律。



わたしはある日課がある。
それは
《校舎裏に来て、“これ“を聴くこと。》

あたしは、いつも校舎裏にくる。
誰も来ないし静かだから。
一一…“これ“を聴けるから。



エレキギター。



丁寧だけどどこか荒っぽくて、でもちゃんとキモチがこもってる。

誰が弾いてるのかは知らない。
あたしは知らなくてもいいと思う。


いつも聴こえるわけじゃないし。
運が良かったら聴こえる。


秘密のメロディー。


「そろそろ行くか」

ちょうどエレキも終わっちゃったし。

そう小さく呟いてあたしは名残惜しげに立ち上がった。

一一一一一一

教室に入ると瑞希が喋りかけてきた。

「奏海、どこ行ってたの?」

「さあ、分かんない」

「もう、いつもそうやってごまかすんだから」

だって知られたくない。

あの場所が。

“あの音“が。

瑞希はあたしの親友。

「そういえばさあ、またなんかやったらしいよ」

「誰が?瑞希いつも言葉足らなさすぎ」

「だーかーらー、Lime(ライム)が」

「Limeの中のだれが何やったの?」

「ん?何かね〜翼さんが他校生とケンカしたらしいよ」

「へえー、何で知ってんの?」

「女子の情報は回ってくんのよ」

「あたしも女子だけど」

「じゃあ何で回って来ないか謎だね〜(笑)女じゃないんじゃない?」

「女です〜」

他愛ない話をしてると教室がざわついた。

「ねえ、あれLimeだよね」
「ほんとだ〜。こっちの校舎に何か用があるのかな?」

教室のみんながヒソヒソ声で噂をする。
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