Sion

幸せのカタチ





理緒の顔をチラリと見た。
落ち着いて紅茶を飲む姿は6年前よりも大人に見えた。




希愛にはまだ理緒に聞きたいことがあった。




「理緒さん、あれから彼氏は…」




爽がいなくなったあと、理緒は親を頼らなかったと聞いた。
親に頼らず、一人で子供を産んで、一人で育てた。




シングルマザー。
希愛では考えれないほど、辛く大変なことがいっぱいだっただろう。




そんな理緒を支えてくれた人がいたのか、気になっていた。




理緒はふふっと微笑み、




「いないわよ。爽一筋だから」




と幸せそうに言った。




「で、でも…理緒さんにも幸せになって欲しいって…」




「爽が他の人といることが幸せだと考えていたとしたら、悲しいわね。
私は…爽が亡くなったとき、お腹にいたあの子と爽を支えに幸せになろうと決めた。気持ちは…揺らいでないわ」



そんな理緒が格好いいと思った。
理緒は…爽がいない今も爽を想っている。




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