拾ってください!!《結婚しました!音々version》

2. 音々野良になる

父の49日の法要も終わり、

遺品分けも滞りなくすんだ。


「何してるの?」

父の妹の、霞おばさま。


あまり面識はなかったけれど、

親戚の方との交渉や、式の手順、様々なことを、

ご主人と進めてくださり、

何もわからない私を助けてくださった。



「おばさま。はい、父の写真の整理です。」


「そう?ところで、

 向こうには、いつ戻るのかしら?」


「そうですね、

 いつまでも休むわけにもいかないので、

 来月早々には、帰らないと。」



「なら、この家は、私たちが管理するのでいいわね?」


「この家ですか?」


「こんな古い家、住む人がいなかったら

 すぐ朽ち果ててしまうわ。


 主人も今度の選挙で、

 こっちの地元の議員に立候補するつもりだから、

 高宮の家に住めるとありがたいのよ。


 あなたはどうせ、海外に行くのだもの、

 いいわよね?」


「はい、

 そうしてください。」


「良かった、早速荷物まとめていただける?


 そうね、持っていかない荷物は物置に運んでおいて?


 大変でしょうから忍に手伝わせるわね!」


そうなんだ。

そろそろ離れないと、

いつまでも父の思い出を糧に生きていくのも

もう終わりにしないと。





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